中国ドラマ界には、時代劇や現代劇で活躍する多くの女優がいますが、その中でもスン・リー(孫俪)は特に際立つ存在です。今回は、スン・リーの魅力や代表作について、特に『宮廷の諍い女』、『ミーユエ 王朝を照らす月』、そして『月に咲く花の如く』について紹介します。中国のドラマでは、吹き替えが多いですが、スン・リーはが自分の声で演技する数少ない女優です。
スン・リーのプロフィールと演技の魅力
スン・リーは中国・上海出身の女優で、1982年生まれ。若い頃、3年間軍に所属したため、精悍な面立ちで、迫力がある演技が特徴です。特に歴史ドラマでは、スン・リーの知性と演技力が最大限に発揮されます。重厚なストーリーと複雑なキャラクターを通じて、観る者をその時代の空気に引き込む力が彼女にはあります。私が見た作品を発表年にしたがい簡単に紹介します。タイトルのところにアマゾンのリンクを張っています。
スン・リーのキャリアを語る上で欠かせないのが『宮廷の諍い女』(原題:甄嬛传)です。このドラマは、清の後宮での複雑な権力闘争を描きながら、スン・リーが演じる主人公・甄嬛(しんけん)の成長と葛藤を追った壮大な物語です。
甄嬛は純粋な気持ちで宮廷に足を踏み入れますが、次第に後宮の愛憎や陰謀に巻き込まれ、したたかに生き抜く女性へと成長します。スン・リーの繊細かつ大胆な演技は、物語の持つ緊張感をさらに高め、多くの観客を魅了しました。脚本もよい上に共演者にも恵まれた作品で最後まで楽しめました。この作品は彼女の知名度を一気に押し上げ、アジア全域での人気を確立した転機となった作品です。
2015年に放送された『ミーユエ 王朝を照らす月』(原題:羋月传)は、戦国時代を舞台にした壮大な歴史ドラマです。スン・リーが演じる主人公・ミーユエ(羋月)は、のちに中国初の太后として名を残す実在の女性です。共演者に中国を代表する女優のリウ・タオ(劉涛)がおり、引き締まった作品に仕上がっています。
物語は、楚の王女として生まれたミーユエが、数々の困難に立ち向かい、秦の宮廷で権力を握るまでの波乱万丈な人生を描いています。スン・リーは、純粋で情熱的な若い頃の姿から、知略を駆使する太后へと成長する姿を巧みに演じ分けました。このドラマでは、彼女の感情表現の幅広さと、壮大な歴史観の中でキャラクターを際立たせる力が存分に発揮されています。
3. 月に咲く花の如く 2017年
2017年に放送された『月に咲く花の如く』(原題:那年花开月正圆)は、清朝末期を舞台にした商業ドラマで、スンリーの演技力がさらに高く評価された作品です。彼女が演じる主人公・周瑩(しゅうえい)は、実在した女性実業家をモデルにしており、困難に立ち向かいながら成功を掴む姿が描かれています。共演者にチェン・シァオ(陳 暁)がおり、2人が助け合いながらストーリーをつぐんで行きます。
このドラマでは、出生が不明確な周瑩が、大きな商家に入り皇室とも絡みながら清朝の厳しい社会制度や商業競争の中で頭角を現していく様子が、リアリティと感動を伴って描かれています。スン・リーの演技は、強い信念と柔軟さを持ち合わせた主人公の魅力を見事に表現しており、視聴者を引き込む力に満ちています。お父さん役(リウ・ペイチー)のコミカルな演技も大好きです。
歴史背景の再現
『宮廷の諍い女』や『ミーユエ 王朝を照らす月』、『月に咲く花の如く』では、当時の文化や風俗が細部にわたり再現されています。華麗な衣装や建築、さらには政治や商業のシステムまで、観る者をその時代に連れて行くようなリアリティがあります。『宮廷の諍い女』は、北京市の故宮博物院(紫禁城)で撮影されたようです。あと二つは、「横店影視城(横店スタジオ)」という中国浙江省の金華市東陽市(上海の近く)にある(東京ディズニーランドの1.5倍くらいもある)世界最大のスタジオで撮影されたようです。両方とも観光客にも人気のスポットです。
まとめ
スン・リーは、現代劇にも歴史ドラマにも対応できる稀有な才能を持つ女優です。ここで紹介した作品も彼女の卓越した演技が際立っており、私も感銘を受けました。これらのドラマは、単なるエンターテインメントとして楽しむだけでなく、中国の文化や価値観を学ぶきっかけにもなります。字幕なしで楽しみたいと思い、中国語を学ぶきっかけとなりました。日本のドラマとは一味違うストーリーやスンリーの圧倒的な演技に、きっと心を奪われることでしょう。
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